知育を始める上で子どもの発達段階を知ることはとても大切です。
子どもにどのように接したら良いか知ることで、どのように知育を行なっていけば良いかがわかるからです。
本記事は、エリクソンの発達段階シリーズ第3弾です。こちらを読む前に、以下の記事を読んでもらえたらと思います。
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こちらはエリクソンの発達段階をまとめたものです(再掲)。
エリクソンは人間には生涯8つの発達段階があり、それぞれに発達課題があることを提唱しました。
発達段階 | 発達課題(心理・社会的危機) | 活力 |
乳児期(生後〜1歳半) | 基本的信頼 vs 不信感 | 希望 |
幼児前期(1歳半〜3歳) | 自律性 vs 恥と疑惑 | 意志 |
幼児後期(3歳〜5歳) | 積極性 vs 罪悪感 | 目的 |
学童期(5歳〜13歳) | 勤勉性 vs 劣等感 | 有能 |
青年期(13歳〜20歳) | 同一性 vs 同一性の拡散 | 忠誠心 |
成人期(20〜39歳) | 親密性 vs 孤独 | 愛/幸福 |
壮年期(40〜64歳) | 生殖性 vs 停滞 | 世話 |
老年期(65歳〜) | 自己統合 vs 絶望 | 知恵 |
本記事で分かること
・学童期(5歳〜13歳)での発達について
・青年期(13歳〜20歳)での発達について
学童期(5歳〜13歳)での発達:勤勉性 vs 劣等感
学童期の発達課題は、「勤勉性 vs 劣等感」という言葉で表されています。
この時期の子どもは、幼稚園や保育園、小学校に通い始め集団生活や学習活動の楽しさを知っていく時期です。しかし、初めから友達付き合いや勉強が得意な子ばかりではありません。
字の読み書きが苦手な子や数概念を理解することが難しいなど周りの友達(同じ年齢の他人)と比べ、自分は劣っているのではないかと「劣等感」を感じてしまうことも多くあります。もちろん、この年齢の子どもたちが明確に自分は周りより劣っているんだと感じることはあまりありません。心理的な部分で劣等感を感じてしまうのです。
しかし、ここで踏ん張ることがとても大切です。周りと比べて劣っているから諦めていくのではなく、計画的に宿題や課題を終わらせたり、周りに負けないように頑張ろうと思ったり。
それが継続することで、最後にその子が持っているものは劣等感ではなく勤勉性になります。
勤勉性を持つことで、自分にはできるんだという自信がつき「有能感」を得ることができます。
この時期に子どもと接する上で大切になってくることは、劣等感を抱いた子に対し適切にサポートすることです。適切にサポートするとは、その子のできていることを褒めてあげることです。
あなたも1度や2度経験したことがあるかもしれませんが、物事がうまくいかない時は「何をやってもダメ」と感じたことはないでしょうか。子どもも同じです。劣等感を抱いた子も同じような状況になっている場合が多いです。
できないことを叱るのではなく、できていることを認めてあげましょう。
子どもが、自分はできるんだという「有能感」を得るための支援をしましょう。
注意することとしては、ここで失敗したこと全てをやってあげるのはNGです。あくまでも、子ども自身に成功体験を積ませてあげることが大切です。
青年期(13歳〜20歳)での発達:同一性 vs 同一性の拡散
青年期の発達課題は、「同一性 vs 同一性の拡散」という言葉で表されています。
一言で表すならば、「思春期」のことです。あなたも、思春期には様々なことを考えたのではないでしょうか。
自分は何者なのか、何になりたいのか、自分らしさって何なのか。
多くの時間を自問自答に費やした方もいるのではないでしょうか。
同一性とは、「アイデンティティー」とも言います。
この時期に、ある程度自分の価値観を確立できた人はアイデンティティーが確立できた人だといえます。
一方で、「同一性の拡散」に悩まされる人もいます。同一性の拡散とは、アイデンティティーの混乱とも読みかえられます。どういうことかというと、自分自身を確立しきれていない、自分の価値観が定まらりきれないということです。もちろん、アイデンティティーが拡散しているからといって、この先生き辛くなるとかそういうことはありません。
エリクソンは、この思春期という多感な時期は、様々な価値観を形成しやすい時期であると言いたかったのでしょう。
ある程度自分の価値観を確立できた人は、自分のやること、考えることを信じることができます。
ここで「忠誠」を獲得することができます。
信じるということは、そこに忠誠心があり、青年期のこの時期はその力を獲得する段階であるということです。
この時期になってくると、親もなかなかやってあげられることは少なくなるのではないでしょうか。
ただ、親はこれまでの人生経験から、人として間違っていること、道徳的に倫理的に間違っていることは子どもに伝えられるはずです。
子どもを信じて見守ること、そして間違った道(犯罪等につながるような)に進んでいるのならそれを正してあげることが、この時期に親がやってあげられることではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
本記事では学童期、青年期の子どもに関することを取り上げました。
本記事でわかったこと
・学童期は、子どもが、自分はできるんだという「有能感」を得るための支援をしましょう。
・青年期は、子どもを信じて見守ること、そして間違った道(犯罪等につながるような)に進んでいるのならそれを正してあげることが、この時期に親がやってあげられることではないでしょうか。
ここまできたら、知育からだいぶ離れてしまいましたね。しかし、逆にここまできたのでエリクソンの発達段階全てを取り上げて、このシリーズの終わりとします。
冒頭でも言いましたが、知育を始める上で子どもの発達段階を知ることはとても大切です。
子どもにどのように接したら良いか知ることはとても大切です。
そもそも知育って何?って思われた方は、こちらに解説した記事がありますのでご覧いただければと思います。
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それではまたお会いしましょう。